ところが………。
時代の変化の歩みが、童話世界に危機をもたらしたのです! 昔と比べて頭の良くなった子供たちは、童話世界のキャラクターに対して 「なぜこの人たちはこんなこともわからないの?」「本当にいるの?」と、疑問を持ち始めるようになったのです。 人々がやすやすと童話を信じるようにはならなくなってから、童話はあまり知られていないものから 順々に消えてしまう運命を迎え始めました。
白雪姫、マッチ売りの少女、シンデレラ、魔女連盟、継母連盟、王子と姫など、童話の主要キャラクターが続々と会議に集まりました。 朝から晩まで、また晩から翌朝まで会議は続きに続いたのですが………。 なかなか具体策に結びつく結論には至りません。 どのようにパフォーマンスをすれば良いのか、それとも、頭がいいふりをすればいいのか、本当に頭を良くすればいいのか。 人々にもっと好かれるための、そして、子供たちからの疑いを解消するための方法を求めはしても……。 しょせんはみんな童話のキャラクター、その考えは単純そのもの、限度があります。
結局会議では何も決まらないまま、皆は童話王国の偉大な賢者の元を訪れました。 偉大な賢者とはいっても、彼もまた童話キャラクターの一人に過ぎず、皆に迫られて焦りながらもひねり出した答えは、次のようなものでした。 「童話はここにある。疑問をもっている人は童話に参加すればよい」 そこで、童話王国の住民たちは、私たちがいるこの世界の住人に童話世界の中へ入ってもらって、童話を知ってもらうことに決めたのです。 童話の存続をかけて。